普通の子どもを立派な大人に育てる -その6

普通の人と成功を収めた人の最も大きな違いは、学びの速度です。成功を収めた人に対する調査では、学ぶ速度は数学等の概念を理解する能力と関係ない事を示しています。偉大な人の中には学校を落第した人もいます。学びの速度はむしろ経験の豊富さや失敗の数と関係があります。偉大な人は失敗の達人です。失敗から学ぶ事は彼らの人生の一部なのです。リスクを恐れないから、他の人よりも進歩が速いのです。

リスクを引き受ける

リスクを取ることを嫌う人はリスクを取る人と比べ学びが遅いだけでなく、多くを学びません。

息子はリスクを恐れないので娘よりも早く学びます。例えば、彼は娘よりも早く自転車に乗れるようになりました。水泳も同じです。同じレッスンを受けているにもかかわらず、息子の方が早く泳げるようになりました。娘は長い間頭を水の中へ沈められなかったからです。娘は怖がってリスクを取ろうとしないのです。赤ちゃんの時も、柔らかいベッドのような所には立っても、堅い床には立ちませんでした。もっと早くできたのに、かなり経ってから床の上に立ち上がるようになりました。リスクが高いと思ったら挑戦しようとしないので、どうにか挑戦させる方法を見つけなければなりません。今のところ、彼女は頑張っていますが。

息子が7歳の時、富士急ハイランドへいきました。彼はジェットコースターの”Fujiyama”に乗りたいと言い出しました。彼は年齢制限以下だったので、私が同乗しなければなりませんでした。落差を見ると怖いと思いましたが、彼と一緒に乗らなければなりません。乗車待ちの列に並びました。降りてくる人たちが興奮しているのを見て、私達も同じように降りてくるだろうと思いました。そして心配するのを止め、降りた後の事を考えることに集中しました。驚くべき体験で、乗ってよかったと思いました。

英語を教える際も、大人、子どもに関わらず、リスクを取らない人は取る人と比べ学びが遅いと感じます。理由は、同じ授業時間内にもかかわらず、間違いを恐れない人は実践する回数が多く、間違いを犯し、それを見つけて修正するからです。一方、間違った発言をせず家に帰る人は進歩が遅いのです。

テストを受ける時、楽しいゲームをしている時でさえ、失うものが何もないにも関わらず、思ったことを言ってみることさえしない子がいます。しかし、リスクを取って考えを口に出してみる子は結果的に進歩することになるのです。失敗を恐れた結果、リスクを避けるようになります。

リスクを嫌う原因

生来リスクを嫌う人もいますが、リスクを取ることを嫌う主な原因は次の通りです。

1.非難や否定的な言葉

「どうしてそんな簡単なことも出来ないの?」や、「バカ!」などの言葉は、子ども「間違ったらどうしよう」と思い、何事にも挑戦しなくなります。「もう1回やってごらん」「頑張ればできるよ。出来るまでどれだけかかったかは関係ないでしょう」などと言った方が良いでしょう。

2.挑戦する時間を十分に与えない、すぐに手を差し伸べてしまう

ゆったりと構え、挑戦する時間を十分に与えましょう。すぐに答えを教えず、子どもを導きましょう。すぐに助けられる子は諦めるのも早くなります。

3.失敗や間違いに対する否定的な態度

子どもの失敗に対してはおおらかに構えましょう。失敗せずには学べないと子どもに教えましょう。私はいつも生徒たちに、「私は全てを知っているわけではないし、沢山間違える」と話しています。

4.教師や親からの過度な期待

過度な期待は学習者にプレッシャーを与え、間違いを恐れるようになります。子どもの特徴に合った適度な期待が大切です。

5.子どもを支配し過ぎる、失敗を犯す機会を与えない

親が過度に支配し自由を与えなければ、子どもは特に親の前で神経質になります。適度な自由を与え、物事に挑戦し失敗する機会を与えましょう。失敗したら、それは学びの一部だと安心させましょう。

間違えないなら勉強する必要が無いのだから、授業に来る必要は無いと生徒に話しています。

リスクを取ることを促す

私は、生命に危険を及ぼさない限り子ども達に何でも挑戦させるようにしています。

教室では、答えが分からなくても考えてみるように生徒を促しています。「何もしないより考えてみるほうが良い、何故なら、新しいことを知ることができるから」、と生徒に話しています。リスクを取る姿勢や習慣が身につくようなゲームも考えました。

小さなリスクを数多く引き受けることによる複合的な作用は驚くべき結果をもたらします。そして、成功を収める人とそうでない人の違いを生み出していくのです。

Oasis英会話ブログ>> 携帯用
//

//

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。