英語と日本語、どちらが簡単?

私はよく「日本語って難しい?」と聞かれます。聞かない人はむしろ「日本語の方が英語より難しい」と思っているようです。また、英語の方が難しいと思う人もいます。

私 が日本語を習い始めて非常に驚きました。第1に代名詞です。つまり、英語の一人称“I”と“me”、 二人称の“you”と“your”です。英語では話し手が誰であろうとこの4つは変わりません。しかし日本語では、性別、相手などによって、色々な種類の 人称が使われます。一人称では、あたし、私、わたくし、僕、俺、自分など、二人称では、あなた、きみ、お前などです。いつ、何を、どうやって使うか理解す るのは大変です。今でも「お前」と「きみ」の区別はあいまいで、よく分かりません。

2つめは動詞の型です。謙譲語や尊敬語も学びました。皇室の方々のための特別な動詞もあると聞きました。

数年前、妻の研究室に電話をかけることがありました。謙譲語と尊敬語を習ったので、当時丁寧だと信じていた通り電話口で「リタさんはいらっしゃいますか?」と言ってしまいました。

ま た、数も大変です。英語ではone person, two dogs, three cars, four birds, five sheets of paperのように、名詞の前に数字を付ければよいのです。しかし日本語では、数えるものによって、一人、犬二匹、車3台、鳥4羽、紙5枚のように単位が 違うのです。

日本語は宇宙で最も難しい言語と思われました。

し かし時がたつと、日本語についての理解が深まってきました。教室で習う日本語は街中で使われているものと違うのです。例えば、「東京へ行きます」のよう に、文末には「ます」を付けるように習いました。でも、車中や街中でこのような表現を聞いたことはありません。聞くのは、「東京へ行く」、「テレビを見 る」などでした。日常会話は動詞で終わる文章だったのです。

会話の例です。

A: いく?

B: いや。

A: なんで?

B: 疲れた。

A: たべた?

B: うん。食べる?

A: いえ

B: なんで?

A: 急いでいるから。

B: わかった。

英語では、動詞だけで会話をすることはできません。つまり、この観点から考えると日本語は英語よりやさしいのです。

英 語を教えてきて、生徒たちは英語のある特定の部分が苦手な事が分かってきました。可算名詞と不可算名詞や複数形などです。例えば、one dog, two dogs, one person, two people, one sheep, two sheep(単複同型), water(単数), water (複数), fish(単数), fish(複数)などです。単数形と複数形でスペルも発音も違う名詞もあります。One mouse, two mice, one louse, two lice, one house, two houses (two hiceではない), one ox, two oxenなどです。

また、動詞も時制に応じて変化します。Kickの過去形はkickedですが、seeはsawになり、teachはtaught、putは変化しません。日本語にはこの様な複雑さはありません。

驚くべきことは、どのような言語であれ、子ども達は同じような方法で言葉を覚えていく事です。複雑な文型も同様にやすやすと覚えていくのです。

つまり、言語に難易度の差はありません。ただ異なるだけです。従い、言語の特性を捉え考慮し、それを各言語の学習方法へ反映させていくことが不可欠です。

第2外国語の習得の難易度は、母語との類似性に非常に左右されます。

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