相模原校 淵野辺校 相模大野校
私は夏休み中、娘に自転車の乗り方を教え、2日間で補助輪なしで自転車に乗れるようになりました。乗れるようになるまで、5つほどの段階を踏みました。初めの3つの段階は数週間ほど、残りの2段階は2日間です。
第1段階はモデリングです。次女は夏休みに入るまでの期間、私、妻、長男、長女が自転車に乗るのを観察していました。そして、「自転車に乗りたい!」と感じるようになりました。
モデリングは、子どもの学びに非常に効果的です。子どもの中に「出来るようになりたい」という願望を生み出し、その願望が能力の習得をスピードアップします。バイオリンの練習方法であるスズキ・メソードはこの原理に基づいています。
私は、モデリングの実践として、英語が話せる保護者の方には英語で話すようにしています。
第2段階は補助輪付自転車に乗れるようにすることです。夏休み前から数週間練習しました。ペダルがこげるようになれば、補助輪自転車での練習は不要になり ます。私は自転車から補助輪を外しました。そして、幼児用自転車ではなく、姉の自転車を使うように言いました。姉の自転車は彼女には大きすぎたので、サド ルを下げてペダルに足が届くように調節しました。
第3段階は、私が後ろで支えながら乗れるようになることです。ハンドルを操って「自転車に乗る」という感覚を習得させるためです。7月の日曜に合計3回練 習しました。走っている自転車を支えるのは大変です。支える為に中腰になり、腰が痛くなりました。とても疲れましたが良い運動でした。
次女は徐々に「一人で乗れるようになりたい」というサインを出し始めました。特に友達が乗っている姿を見てからです。
第4段階は、山中湖での休暇でした。初日にレンタル自転車を4台借りました。そのうち1台はタンデムバイク(ハンドルとサドルが二つずつある自転車)でし た。妻と長男、長女はそれぞれ1台ずつ乗り、私と次女は一緒にタンデムバイクに乗りました(もちろん次女が後ろ)。ちょっと雨に降られた1時間でしたが、 次女は自転車に乗るという感覚を習得したと思います。そろそろ一人で乗れる頃だろうと思いました。
第5段階はその翌日でした。1周14キロの湖をサイクリングする計画でした。私と長男、長女は自転車で半周し、妻と次女は折りたたみ自転車を積んだ車で半 周しました。折りたたみ自転車は、車輪は小さいものの大人用なので、サドルを下までおろしても次女の足は地面に届きません。7キロ地点で全員集合し、車か ら自転車をおろしました。妻には2キロ先まで車で向かうよう言いました。妻は心配そうにしていましたが、「次女は大丈夫だから」と言うと納得しました。リ スクもありましたが、次女に挑戦させるべき時だと判断した結果だったのです。
長男と長女に先に行くように言いました。私は次女の自転車を支えながら彼女をサドルに座らせました。そしてそっと押し出しました。始めはよろよろしていま したが、何とか先に進み出しました。プロテクターをしていなかったので、アスファルトの道で転ばないように彼女は必死でした。そして妻が待っているところ まで転ばずにたどり着くことが出来ました。初めてひとりで自転車に乗れたので彼女は大喜びでした。
学びの過程では、学習者が極力早く機会を与えられることが必要です。学びに時間がかかるのは、単に早い段階から機会が与えられない場合が多いのです。
トレーニングの方法を系統的に段階化すれば、学習者が楽しんで学べるだけでなく、学びのスピードが速くなります。