効率的な教育方法は効果的ではない その4

4つ目の教授方法は「指示」です。つまり、ある特定の行動を要求することです。例えば、「このページを読んで、内容を説明しましょう。」、「袋を開けて中身を言いましょう。」などです。これらの例では、動作と言語の両方の行動を求められます。
サープ博士らは、効果的な指示には3つの要素―行動の管理、フィードバック、認識の構築―が組み込まれる必要があると述べています。上述の例では、生徒は教師の指示に従い、ある特定の行動をとることが求められます。関係のない事をしようとすれば、元に戻って求められた課題に取り組むことを促されます(行動の管理)。課題を上手くこなせれば成果が評価され称賛されるでしょう(行動の管理とフィードバック)。書かれている内容が分からなかったり、袋の中身が分からなければ、教師や親は情報について再度説明します(認識の構築―後述)。
効果的な指導方法 指示は、子どもの年齢や能力によって、簡単にも複雑にもできます。「7つの習慣―ファミリー」の著者のコヴィー博士は、指導は効果的で、かつ、子どもに分かりやすいものであるべきだと述べています。子どもに責任感を感じさせることが重要で、課題や結果が明確であるべきです。
指示の複雑度は子ども、学習者の成熟度や能力によって決まります。分かりやすく、実行しやすくするために、課題を小さく分割することが大切です。例えば、「袋を開けて中身を言いましょう。」、「よくできました。次は、物を色別に分けましょう。」、「よくできました。青と赤の物の数を数えましょう。」、「次は、赤(red)、青(blue)と書きましょう。」、「隣に数を書きましょう。」などです。 特に小さい子どもには、「袋の中の物の色とそれぞれの数を書きましょう。」と複雑な指示を出すよりも、わかりやすいでしょう。
多くの生徒や子どもは、自分の意志ではなく、指導方法が複雑すぎて認識できないから課題が実行できないのです。子どもは何でも吸収することを忘れないでください。辞書には、「学習者とは課題等について発見する人」との記載があります。つまり、課題や、やり方が分からない状態なのです。 生徒や子どもと効果的に関わるためには、彼らが何を考えているか、理解する努力をしましょう。一度にどの程度の課題がこなせるかを理解し、それに応じて指示を出しましょう。 多くの親は思春期の子どもの扱いに苦労しますが、それは子どもを理解していないのが原因です。
親になると、親と子どもでは大切なものが違うという事実を忘れてしまうのです。友達の前で恥をかくことの方が、不幸な両親よりも不安なのです。 効果的な指導を行いたければ、怒りに任せて指示を出すのは止めましょう。 また、指導が権威的になり過ぎると反感を覚えるとサープ博士らは述べています。

 

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