子どもにさせたいことをさせるためには?その3

長い休みを頂いていましたが、やっとブログを書く時間が出来ました。皆様に深くお詫び申し上げます。そして、お詫びを申し上げるのが今回で最後になるように願っています。

今回は「経験が子どもに与える影響」について扱います。

経験は最良の教師です。

子どもは経験を積み重ね自分を取り巻く世界を解明していきます。例えば、失敗をしてお仕置きをされたら、失敗する可能性があることに挑戦しない大人に育つでしょう。失敗をお仕置きと関連付けてしまうからです。一方、失敗しても次は頑張るように励まされれば、失敗は成長過程の一部と思うようになるでしょう。

私たちの子どもの扱い方が子どもの手本になります。子どもは、自ら経験し、知っていることからかけ離れたことはやらないものです。

親子クラスを見ていて感じたことがあります。どんな理由か忘れましたが、子どもが泣き始めました。二人の子から別々の反応がありました。怒りながら「黙って!」と言う子、「どうして泣いてるの?」と優しく聞く子。これを見て、その子達が日頃どのように扱われているかを悟ったのです。

経験が状況にどう反応するかを決めるのです。すなわち、人生で役立つ経験を提供すれば、すべきことをするようになるのです。

努力を厭わない子に育てるには、完遂するまで取り組まなければならない状況に置くことが重要です。小さい頃から集中力を養い、困難に立ち向かうようにすれば、その後の人生でも同様に取り組むようになるでしょう。

私の子ども達は1時間以上授業に集中することができます。2歳の頃から出来るようになりました。オアシスでは幼児クラスのレッスンは1時間です。

オアシスには2,3歳の子もいますが、自然に1時間レッスンを受けられるようになるのです。殆どの英会話学校の幼児クラスは40~50分です。

夏には2時間集中プログラムが行われ、年齢に関係なくレッスン終了まできちんと参加できます。経験が子ども達を鍛えたのです。おかげで時間を有効に使うことができます。

経験が子どもの性格を形作り、性格が行動に表れます。ある研究は、「成功した」親の子どもは、親ほどは「成功しない」という結果を示しています。成功に結び付く経験をすることなく人格が形成され、成長したのが原因と説明されています。過保護に育てられた結果、自分で努力をするという経験が欠如していたのです。

アメリカ人のPaul Tough著の「How Children Succeed」には、様々な家庭状況の子ども達が成功を成し遂げた要因が挙げられています。本によると、最も大切な要素は「ある種の資質」だそうです。ニューヨークの極めて裕福な地域にある進学校の校長Dominic Randolphの、「ある種の資質」を得るためには、極めて失敗する可能性が高いことに挑戦させることが最良の方法だ」という発言を引用しています。しかし、子どもに大きな期待をかけても、親が精神的なサポートを提供しなければ、それは子どものストレスの要因になります。子どもと時間を過ごすことは、子どもが精神面で安定するためには不可欠です。

この研究の結果はどのような社会にも当てはまるように思えます。

前回のブログでは娘の中学受験について書きました。この経験は親子両方にとって非常に有意義なものでした。入試が近づくにつれ、親子とも非常に頑張りました。我が子の我慢強さ、忍耐強さに感心しました。妻は勉強に関しては非常に厳しく、娘が自律性を身に付けられるよう、辛抱強く支え続けました。

入試初日の午前中、4教科を受験しました。同日の午後も2科目受験しました。合否はその日の夕方に発表され、娘は合格できませんでした。家族みんな非常にがっかりしました、特に娘は落ち込んでいました。私も想像以上に落胆しました。しかし、まだ翌日があります。その晩も勉強し、2日目の午前中に2科目受けました。結果は不合格。午後にも受けました。3日目の試験は午前しかなく2科目のみで、その前の2日間よりも難しい問題が出題されます。娘はその晩も勉強しました。しかし3日目の結果も不合格でした。娘はとても落ち込んでしまいました。

私達は座って試験結果について話し合いました。娘には、準備不足だから受からなかったのだと説明しました。他の子ども達は充分に準備していたから受かったのだと。彼らは低学年の頃から準備し、親がお金をかけたから合格することができたのです。娘は結果を受け入れる以外ありませんでした。そして、将来やりたいことをやるためには今回の経験を活かすように諭しました。結局、不合格だったのは娘だけではありませんでした。

今回の経験から、娘は、欲しいものを手に入れるには努力が不可欠という非常に大切な事をことを学びました。娘は苦くも欲しいものが手に入れられないということを経験することになってしまいました。しかし、娘の勉強に対する態度が一変したのです。6年生の3学期の成績は今までで一番良く、中学生になった今も一生懸命勉強しています。目標を定め、それに向かって努力しています。素晴らしい公立中学校に入学し、初めての中間テストの結果は非常に満足するものでした。

子どもにやらせたいことをやらせるためには、私達が使う言葉を選ばなければなりません。良い手本を示し、挑戦する機会を与え、必要な資質を身に付けられるように導いていきましょう。

 

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